結論から言うと、

Androidの基本構造が「誰でも開けられる金庫」みたいなものだからです。
異常な状態なんだけど、それがAndroid最大の特徴でもある。

Android OSは、Googleが配布するオープンソースプログラムであり、メーカーが無料で使えるようにしている。その無料OSを使って、メーカーが好きなようにシステムのデザインを作り変えたり、機能を追加したりできるようになっている。
それだけに「開発者や技術に詳しい人たち」にとっては、とても楽しいOSです。

ウィルス
















しかし皮肉なことに、このカスタマイズの自由さが災いし、使い方に統一性がなくなったり操作設計のノウハウの幼稚なものになったり、逆にユーザーにとっては、とても使いにくく操作がわかりにくいスマホが流通する最大の理由となっています。
 

では、なぜそんな仕組みになっているか?
 

オープンソースにすることでマーケットは広がり、巨大なシェアをつかむことが出来るからなんです。

これは、ひとことで言って儲け主義のメーカー都合のやり方であり、あくまで開発者側にとって有利な方法です。

かくして、メーカー都合と引き換えにユーザー体験の質を著しく低下させる結果となっています。開発者に自由を与えると共に、犯罪を犯す自由も与えてしまうのが、Androidのオープンソース環境というわけです。

そこにセキュリティを確保するなんて、どだい無理がある。
そこまで都合良く出来るわけがないのです。

結局は、開発者の善意に期待しているだけなので、やりたい放題の状態となっているのが実情です。
 

ウィルス対策














じゃあ、ウイルス対策アプリを入れて、防御すればいいじゃないか?

誰もがそう思う。

しかし、事態はそう簡単ではない。

実は、現在Andoridで動作するウィルスはなんと「管理者権限」で動作しています。
対するウイルス対策アプリは驚くことに、すべて「ユーザー権限」で動作しているのです。

考えられません。

「管理者権限」で動くウイルスに「ユーザー権限」で動く対策アプリが、どうやってウイルスを駆除するというのか?

できるわけない。

社長が平社員の言うことを聞かないのと同じ。
最高決定権者がウイルスになってしまうって事なんです。

ちなみにiPhoneでは、こういった機能は完全にブロックされている上に、人の手による検証作業の行われたアプリしか販売できない仕組みになっています。
 

このようにセキュリティをひとつとっても、iPhoneとAndoridはそれほど大きな違いがあります。ユーザーは、現状をよく把握した上で、スマートフォンを選ぶべきでしょう。

 

日本セキュリティ・マネジメント学会の理事の萩原氏が言っている言葉を紹介しよう。

「Android OSのセキュリティレベルはゼロと言ってもいい。
不正アプリ・マルウェアに対しても、対策アプリのすべてが、重大ウイルスを駆除不能で、意味をなしてない。
しかも、現時点で、このAndroidの危険性の対策に乗り出すソフトウェアメーカーが、ひとつもない。それが不思議でしかたがない」


ウィルス増えてる













 

この混沌から脱出し、本当にちゃんとしたエコシステムを実現するには、最初からやり直した方が早いのではないか。

スタート位置を間違え、軌道修正が不可能なところまで来てしまっているからだ。
もはや未来永劫、Androidに「安全性」と「使いやすさ」の両方を同時に実現する日は来ないだろう…。


以下、参考記事 

 

Android OSに深刻な脆弱性、任意のコード実行やパスワード読み取りの恐れも

96%がアンドロイド端末狙い 世界のモバイルウイルス 

サイバー犯罪者の多くがターゲットにしているのはAndroid