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iPadやiPhoneなどのApple製品は、初心者や機械の苦手な人にも簡単に使えるように、緻密に計算し尽くされて作られています。

使いやすくするために既成の概念に囚われず、初めの一歩から作り直しているので、既存の製品に慣れている人は、返って使いにくいということが起こっているように思います。

ちょっと見つけた記事なのですが、TechCranchの2010年7月17日掲載の記事です。

私がiPadを売ってしまった理由

気になるタイトルですが、このiPadユーザーは一度は購入したiPadが気に入らず、
結局は売ってしまったようですが、その5つの理由がどうにもしっくり来ませんでした。
その5つの点について一つ一つ反論の意見を書きます。



1. USB端子がないので、USBメモリーなどが使えない。

当然ではないでしょうか。
タブレット端末は、本体のみでやりたいことが完結することが大きな特徴です。
iPad本体のみを持ち歩きウェブ閲覧やメール、ゲームやスケジュール管理…等々。
パソコンをいちいち起動することなく簡単に瞬時に済ませることができます。
つまり、USBなどの周辺機器を使うことを基本性能として考慮されてはません。
もし、それができることが標準機能だったら、どうなるでしょうか?

「USBメモリーでデータ転送」
「USBハードディスクの接続」
「USB接続のプリンターを使う」
「USB接続のマウスを使う」
「USB接続の外付けディスプレイを使う」
「USB接続の…」

これでは、どんどん専門的な知識が必要になり、分厚い説明書を読み、ドライバーをインストールして、果てには複数アカウントまで作ろうか…。などど複雑になっていきます。
こんな使い方する人に、もっとも適しているのは「ノートパソコン」ということになると思います。


2.Officeと互換性がない。

2010年段階で、さまざまなOffice互換アプリがでており、そのことをご存じないのかもしれませんね。
メールの添付ファイルで受けとったWordやEXCLファイルを開くことができます。
もちろん無料の互換アプリもたくさんあります。
その他、標準で「メモ」「Pages」など書類作成アプリがAppleからオフィシャルなアプリがでています。
ちなみに、この状況はAndoridにも共通しています。
しかも、メールやウェブ書き込み、検索、ゲームやユーティリティの使用など、ほとんどの作業が、そもそもOfficeを必要としない作業ばかりです。


3.ウィンドウマネージャーがない

これ程おかしな評価は他にないといっても過言ではありません。
ウィンドウマネージャーとは、いわゆるパソコンを使っているときに使う「複数ウィンドウの利用」のことを言っています。
でもこの話、PCに詳しくない初心者の方は何を言っているか解らないのではないでしょうか…?
タブレット端末の画面には、「1アプリ=1ウィンドウ」という根本的なルールを守っているからこそ、シンプル操作を実現することができ「誰にでも使える」ようになっているわけです。
複数ウィンドウが必要ならノートパソコンがあるじゃないですか。
もちろん、ノートパソコンは誰にでも使えるわけではありません。



4.Web閲覧のためのFlashがない

iPadがWeb上のFlashを見られない理由は、スティーブ・ジョブスが去年、公式に表明しています。
大まかに言うと「セキユリティーレベルが低すぎる」「消費電力が大きすぎる」「動作が重くなる」「バグが多すぎる」「HTML5の方が断然優秀」などなど…。

特に、
Flashが動作する場合、激しくバッテリーを消費してしまいます。
しかし、モバイル端末などでは、バッテリーの持ちが大変重要です。

iPadだけでなくiPhoneもその大きさの制限から、決して多くのバッテリーを搭載することは難しいです。
容量はiPhone4で約1440mA程度。それでも1700mAもあるAndroidスマホの3倍以上の長時間の使用に耐えます。AndoridはFlashが使える代わりにバッテリーの持ちを犠牲にしています。

もっともAndoridのバッテリーの短さの原因は他にも多数の理由があります。
お財布ケータイやワンセグ、赤外線など様々な日本独自の機能を盛り込んでいますが、多機能すぎることが災いして、異常な早さでバッテリーが減ります。
午前中で半分以下になったのでは、意味がありません。
例 (ガソリンが、2Lしか入らないセルシオみたいなもの = 使い物にならない)


私の知人のAndoridユーザーの方は、買ったばかりのAndoridスマホに厳重な節電対策をしています。そのレベルが考えられないくらいハードです。
列挙します。どうぞ↓

「WiFiをOFF」
「BlueToothをOFF」
「GPSをOFF」
「テザリングOFF」
「ワンセグ見ない」
「音楽を聴かない」
「ディスプレイの輝度も半分に落とす」
「目覚ましも使わない(朝になるとバッテリーがOになる)」
「アプリのインストールもしない」

ここまでしてしてやっと1日使える状態だということでした。
しかも、電話は、もう一台のガラケーを使って話すそうです!
もはや、Andoridを持つ意味があるのでしょうか…?

以上の理由から、iPadやiPhoneがFlashを使えないようにしてある意味は、
とても重要なのです。



5.iPadはカメラがないのでFaceTimeできない

この点は、iPad2からカメラが搭載されたのでもういいでしょう。




まとめ

以上、紹介と同時に記事の内容に反論してみました。
時々「なぜか、ノートパソコン使うようにiPadを使おうとする不思議なユーザーに出会う」ことがあります。
そして、そんな
ユーザー全員が、iPadの利用がうまくいっていない」のです。

そのような小さな思い違いを別の例で考えればわかりやすくなると思います。
異なる2つの体験を同一に考えることは如何に不合理かがわかると思います。

       「自転車に乗る」←→「車に乗る」
「ファーストフードで食事する」←→「老舗の懐石料理屋で食事する」
     「近所の公園で遊ぶ」←→「ディズニーランドで遊ぶ」


これらは、似ているようでもお互いに全然別のものです。
つまり、この点を当てはめて考えるとこうなります。

「iPadを使う」←→「ノートパソコンを使う」

となります。
この2つの全然違う両者に、お互いの長所を求め合うことは、とても不合理なことだと思います。

この記事を書いたライターはIT記者だと思いますが、どうも最先端のツールの概念を理解できず、変化について来れていないように思います。

iPadとという道具は、現代の全く新しい道具であり、パソコンの延長線上に存在する製品ではないように思います。その存在の意義を今までの概念に無理矢理当てはめようとすると、「こんなのも何に使うんだろう?」ということになると思います。